期間限定。冬のあったか「こたつ船」で
日本三大急流の最上川下りを満喫

「五月雨を集めて早し最上川」という松尾芭蕉の俳句で有名な最上川。
芭蕉も旅した最上川の景色は、冬になると雪化粧でいっそう美しく幻想的になります。
この季節だからこそ見られる景色を、あったか~い「こたつ船」で楽しむことができるのです!

「プロが選ぶ水上観光船30選」第1位連覇の舟下り

芭蕉の俳句にもあるように、日本三大急流のひとつとして有名な最上川。

福島県と山形県の境にある吾妻山の源流から山形県を縦断し、酒田市から日本海にそそぐこの川は、山形の内陸でとれた米や紅花などの農産物を酒田の港に運ぶために、昔から舟運がさかんでした。

そんな最上川の舟運は、今は観光船として大人気。最上川舟下りは、旅行新聞新社が行った「プロが選ぶ水上観光船30選」の第1位に、2017年と2018年の2年連続で選ばれています。

最上川沿いの景色が素晴らしいことはもちろん、年中無休で四季折々の楽しみ方ができるのが魅力。それに、船頭さんの軽快で楽しいお話が聞けるし、世界三大舟唄といわれる(?)「最上川舟唄」も聴けちゃいます。

四季を通じて楽しめる最上川舟下りですが、冬季の12月からは風情ある「こたつ船」が運航されます。寒くてお部屋にこもりたい気分を吹き飛ばす、見どころたっぷりの冬の最上川舟下りにレッツゴー!

「戸沢藩船番所」で最上川名物をゲットして、いざ乗船!

酒田市街から最上川の上流に向かって車を走らせ約1時間。乗船場の古口(ふるくち)港はJR陸羽西線古口駅近くの「戸沢藩船番所」にあります。


古口港

古口港から乗船し、下流にある草薙(くさなぎ)港まで下るのが、通年運航している定期航路のコース。12キロを約1時間で下ります。

駐車場に車を停めて、いざ乗船受付のある戸沢藩船番所の建物へ。この建物は、むかし戸沢村にあった関所をイメージした外観になっていて情緒たっぷり。中は、おみやげ屋さんや食事処があり、奥のほうに乗船受付があります。

定期航路は1日に5便。そのうち、12月1日~3月31日までの間、こたつ船が1日に3便運航されます。
この日は1便めの10時50分発のこたつ船に乗るべく、乗船申込みをしました。

乗船料は、大人2500円(税込)、子ども1250円(税込)。航路は片道なので、車で行く場合は、降船場がある草薙港から乗船場がある古口港まで路線バス(410円)で戻るか、古口港から草薙港まで車を回送してもらう(有料)ことになります。

受付を済ませたら、船番所の屋内で出発時間を待ちます。
船番所の中には、玉こんにゃくや鮎の塩焼きが食べられる食事処があり、いい香りが漂ってきます。館内のアナウンスによると、船内に販売はないため、乗船前に飲み物などを買っておくのがおすすめとのこと。

せっかくなので、あたたかいお茶と、最上川味噌まんじゅう、それにくるみゆべしを買いました。

くるみゆべしは、普通のものと、まわりが包まれたものとがあって種類豊富。売り場のおじさんによると、紫蘇で包まれたくるみゆべしが、特に女性から人気が高いとのこと。黒ごまと紫蘇を買ってみました。こたつでぬくぬくしながら食べるのが楽しみだなぁ。

船頭さんのトークと豆炭こたつで心も体もあったまる

乗船場に向かうと、やっぱり寒~い! 数日前に降ったという雪が残っていて、川の向こう岸の山も薄く雪化粧をして冬らしい景色。これは、船から見るとさらに絶景に違いない!

船に乗ると、お座敷の上にこたつがいくつも並んでいます。足を入れてみると、ぬくぬくとあったか~い。さっきまで凍えていたのをすっかり忘れました。

船頭さんによると、豆炭を燃料とする、昔ながらの豆炭こたつとのこと。乗船客は思い思いにこたつに入り、暖をとりながら景色を眺めています。なかには地酒を飲んでいい気分のおじさまたちもいました!

さて、船が港を出ると、船頭さんの軽快なトークが始まりました。船頭さんは、ガイドをしてくれる人と船の操縦をしてくれる人との2名体制。この日は、最上峡芭蕉ライン観光株式会社の最年少と2番目という若手船頭さんコンビでした。 

こちらの会社には男性、女性、若手、ベテランと多彩な船頭さんが27名在籍しているそう。乗船券の裏面には、船頭さんたちの顔と名前が書いてあって、親しみがわいてきます。

窓の外を見ると、真っ白い雲に覆われた、雪国らしい曇り空。薄く雪化粧した山々と波打つ川面が、幽玄で素朴なモノトーンの景色を作り上げます。
やはり船の上から眺める最上峡は絶景。しんと静まる冬の山合の景色に、寂しさと穏やかさを感じます。

舟下りの途中には、NHK連続テレビ小説「おしん」の撮影場所も通ります。近くを船が通ると、船頭さんがおしんの撮影秘話などもしてくれました。

ほかにも、山形グルメの話、芭蕉の話、歴史クイズや温泉豆知識など、山形にまつわるネタが次々出てきて楽しい。お客さんの年齢層や盛り上がり具合などを見ながら、その時々に合わせてトークが展開されます。
明るくてちょっとひょうきんな船頭さんのキャラが生き生きしていて面白い!

終盤には、お待ちかねの「最上川舟唄」を歌ってくれました! お客さんはみんな手拍子をして、船内は大盛り上がり。山形弁風の流暢な(?)英語バージョンも披露してくれて、船内には笑いがあふれました。

こたつで景色を眺めながら、乗船前に買ったお茶とお菓子をいただきました。
最上川味噌まんじゅうは、ほんのり味噌の風味と塩気がちょうどよくて美味。
紫蘇のくるみゆべしは、甘さ控えめで紫蘇の香りとマッチ。こたつに入って、絶景を眺めながら味わうと、ほっとしますね。

予約をすれば、山形名物の芋煮や鮎、船中弁当も味わえる

船頭さんのトーク中に出てきた豆知識で、へぇ~と思ったのですが、芋煮の味つけは山形県内でも地域によって異なるって知っていましたか? 

ちょうど船番所がある戸沢村あたりで味が分かれるのだとか。ここより日本海側の庄内地方はみそ味、内陸側の最上地方はしょうゆ味だそうです。

最上川芭蕉ライン下りでは、3日前までに予約をすれば、芋煮や、鮎の塩焼き、船中弁当など、船の上で山形のグルメを楽しむことができるそうです。

春夏は生命力あふれる自然の緑と力強い最上川の急流を、秋は最上川の水面に映る鮮やかな紅葉を楽しむことができます。

さらに船の種類も、今回乗ったこたつ船以外に、いす船、テーブル船、特別貸切船「第2もがみ丸」などがあって、それぞれ違った雰囲気。楽しみ方がいろいろあって、何度も行きたくなります。

夏には、舟下りの航路の途中にある休憩所「ふるさと村」で、バーベキューに魚のつかみ捕り、滝すべりやいかだ下りが楽しめます。なんと、手ぶらで芋煮会ができるプランもあるそう! 山形の大自然とグルメを満喫できそうですね。

最上川芭蕉ライン下り、庄内の旅なら絶対にはずせないアクティビティとしておすすめです! 個性的な船頭さんたちに会いに行ってみてはいかがでしょうか。

<データ>
戸沢藩船番所(古口港)
【住所】山形県最上郡戸沢村大字古口86-1 map
【電話】0233-72-2001(最上峡芭蕉ライン観光)
【交通】JR陸羽西線古口駅より徒歩約7分。酒田から余目(あまるめ)経由で古口まで普通列車で約50分(770円)。
車 庄内空港より約50分。
【営業時間】8時30分~17時30分(4月~11月)/9時~16時30分(12月~3月)
【定休日】年中無休
【駐車場】あり/無料
【料金】 普通旅客運賃(片道):大人2500円(税込)/子ども1250円(税込) ※その他コース等によって異なる。
【URL】http://www.blf.co.jp/index.html

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