米どころ庄内平野のお米はおいしい!
その裏にはこんな秘密があった!

炊き立てのご飯と、漬け物と、味噌汁。これさえあれば、おかずなんていらない。
あまりに庄内のお米がおいしくて、しみじみとそんなことを感じてしまうことがあります。
地元の寿司屋さん、食堂、農家レストランなど、どこのお店に入っても、ふっくら炊きあがったご飯と出合うことができます。
今回は、そんな庄内の食を支えるお米について、紹介したいと思います。

お米が育んできた庄内の歴史、文化、食


庄内地方にはあちらこちらにきれいな湧水があり、緑も豊かです。
見渡すかぎりの平野で、日の光はどこの田んぼにも平等に降り注いでいます。
背後に控える鳥海山や出羽三山などの山々を眺めれば、自然の恵みが豊かであることは容易に想像できるでしょう。

農業のことは何もわからない人でも、庄内のこの広大な田園風景を見れば、ここのお米はおいしいにちがいないと、直感的に思うはずです。

庄内には、お米があったからこそ育まれてきた歴史、食文化などがたくさんあります。

吉永小百合さんのポスターで全国的にも有名になった酒田市の山居倉庫。
立ち並ぶ黒塗りの倉庫群と大きな欅並木が壮観で、日本だけでなく海外からも多くの方が訪問しています。

山居倉庫は、お米の品質や生産性の向上、農村の振興を目的として明治時代に建てられました。
現在では庄内地方の物産や観光を紹介する施設としてにぎわっていますが、中には現役で使われている倉庫もあるようです。
一番奥の棟は資料館になっており、江戸時代から現在にいたるまで、庄内の人たちがいかにお米づくりに心血を注いできたかが伝わってきます。

山形県民のソウルフードともいえるオランダせんべいも、元はといえば「特産品である庄内のお米を守りたい」 という思いで酒田米菓さんが開発したものでした。
酒田米菓の工場見学では、オランダせんべいへのこだわりとともに、庄内のお米のすばらしさについての展示もされています。

お米を主原料とするものといえば、日本酒もそうです。
水のおいしい庄内では、「初孫」や「上喜元」などの銘酒が数多く生まれるほどに酒造りが盛んです。
冬のあいだ雪に覆われる山形県では、農作業ができない農家が冬仕事として酒蔵で働くことも多く 、杜氏と呼ばれる酒造りの名人もいたようです。

日本を代表する名ブランド米のルーツは庄内にあった


そんな庄内地方が日本の穀倉地帯と呼ばれるまでには、先人たちの並々ならぬ努力がありました。

本格的な稲作が広まったのは、江戸時代初期。庄内藩初代当主の酒井忠勝公によって、大規模な水路の整備や開墾などが進められたのだそうです。
現代のように馬力のある自動機械がない時代です。葦や樹木が生い茂る自然を相手に人力で切り拓いていく労力は想像を絶します。

今でこそ「米余り」と言われている時代になりましたが、当時の日本では頻繁に飢饉が起きていました。米づくりは、人を生かすことと同義だったのでしょう。江戸時代、大名や家臣の勢力をお米の量である「石高」で量ったことは、それだけお米が日本人にとって重要だったことを物語っています。

そんな庄内地方には、明治時代に誕生した「亀ノ尾 」という伝説のお米があります。
阿部亀治という、貧しくも勤勉だった当時の小作農が努力の末に開発した品種です。
亀ノ尾は、他の品種にくらべて圧倒的に病気や冷害に強い丈夫な稲でした。
とても育てやすくて収量も多く、農家のあいだでは大変な評判で、1925(大正14)年には日本中で19万ヘクタールもの面積で作られるようになり、日本の三大名品種に数えられています。

その後現れてくる新たな品種に、亀ノ尾は次第に道を譲ることになっていきますが、その有能な遺伝子は現在でもたくさんの銘柄米に受け継がれています。
コシヒカリ、ひとめぼれ、あきたこまち、はえぬき、つや姫など、これら数々の名ブランド米は、じつはすべてこの亀ノ尾をルーツとしています。
最近でも新たな品種がどんどん出てきていますが、その多くが、系譜をたどると亀ノ尾に行きつくのです。

日本のトップブランド米「つや姫」


そんな亀ノ尾を祖先にもつブランド米のひとつ、「つや姫」。山形を代表するお米です。
つや姫の特長は、なんといっても「おいしい」こと!
しっかりとした食感で粘りも強く、旨み、香り、色つやと、白いごはんだけで食事を楽しめるほどです。

全国的に流通するほどになったつや姫ですが、じつはどの農家でも作れるわけではありません。広い農地、高い栽培技術、食味検査など、厳しい条件をクリアした農家だけに作ることが認められています。

特別栽培の基準を満たしていることも最低条件とされています。
特別栽培とは、一般的な農薬使用回数や化学肥料の量を5割以上減らした農作物に与えられる認証です。
つまり、つや姫のすべてが有機栽培か特別栽培の基準を満たしている安全なお米なのです。

庄内地方は、山形県内でも特につや姫の生産量が多いところですが、冬になると田んぼは雪で覆われてしまいます。そのため、庄内では一年に一度しかお米を作ることができません。

しかし、それは田んぼにとってはお休みをもらえるいい時期でもあります。
農作物を作るということは、土にとってもエネルギーを消耗する大変な仕事なので、休息が必要なのです。

それに、田んぼに積もった雪は、春に溶けると余分な成分や不純物などをきれいに洗い流してくれるとも言われています。
選ばれた農家と、雪国という自然環境によって、おいしい「つや姫」が実るのですね。

9月から10月は実りの秋。新米のおいしい季節です。
山形県の稲刈りは、どこの地域でもだいたいこの時期に行われます。
甘み、香りが豊かでふっくらと炊きあがる新米が楽しめるのは、一年を通して今(新米と言われるのは12月31日)だけです。

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