コロコロとした実が可愛らしいブルーベリーは、ジャムやスイーツに欠かせない果物です。
でも、生で食べたことのある人は意外に少ないのではないでしょうか。
生は酸っぱいイメージがありますが、完熟のブルーベリーは驚くほど甘みがたっぷり。
月山高原の農園で、夏のこの時期にしか味わえない、食べ放題のブルーベリー狩りを体験してきました!
農園の広さは東京ドーム2.5個分
ブルーベリー狩りが楽しめる月山高原鈴木農園は庄内空港から車で35分、五重塔で有名な羽黒山近くの鶴岡市羽黒町にあります。
東京ドーム2.5個分の敷地内に40品種1万本のブルーベリーを栽培する、日本最大級の面積を誇る観光ブルーベリー農園です。
庄内平野ののどかな農道を走り、やがて山に向かうやや細い道に入ります。舗装道路ではありますが、周囲に人家も少なく、やや不安になってきたころに看板が!
車からおりると標高が250mほどにあるためか、平野部よりも少し涼しく感じます。冬には季節風の影響で零下10度になることも。高原地域なのですね。
早速、「ようこそブルーベリー園へ」と書かれた建物の中に入り、受付けを済ませます。
すると、農園の方から「完熟したブルーベリーがおいしいよ。触るとすぐにポロンと枝から離れるから」と親切なアドバイスをもらいました。
初めてのブルーベリー狩りです。胸を踊らせて園内に入りました。
ハズレなし。完熟ブルーベリーは超甘い!
少し坂を下ると、そこには圧倒的な数のブルーベリーの樹々。終わりが見えないぐらい先までずっと広がっています。
近くの樹に目をやると、すぐに宝石のような青い果実が飛び込んできました。
アドバイス通りに、包み込むようにして少し揺らすと、ポロンと枝から外れます。
指で摘んで、まずは一口。「あっ、甘―い」。そして濃厚な味わいに驚きました。
一粒口に運べば、すぐに次のブルーベリーがほしくなります。次は直接つまんで、連続で食べました。「あれ、どれも甘い」。ここのブルーベリー園には酸っぱかったり、渋かったりするのがありません。ハズレ無しのくじを引いているような感じです。
おすすめは、まとめて一気の“大人食い”
ブルーベリー摘みになれてきた頃、30粒ほど手のひらにまとめて一気に食べる“大人食い”にチャレンジしました。
手のひらにためているときが、とてもがワクワクします。
そして、文字通り機が熟したらブルーベリーを口の中へ。いっぱいに広がる爽やかで濃厚な味に、思わず目を閉じてしまいました。
食べ放題だからこそできる贅沢な食べ方ですね。
農園内を歩きながら食べていると、大きな果実のブルーベリーを発見しました。
この園のどこかに500円玉ぐらいになる品種があり、「日本一大きなブルーベリーを探そう!」というイベントを開催しているのだそうです。
発見したブルーベリーはそれよりは小さくて残念でしたが、いろいろな種類のブルーベリーを楽しめるのも魅力の一つです。
“たまらない”ブルーベリー
一通り食べ終わったので、今度はお土産用のブルーベリーを摘むことにしました。
受付で500円を支払い専用の容器を受け取ると、反対側にある畑にいきました。こちらも広大な畑です。
5分もあればいっぱいにできると思っていましたが、まったくたまりません。
なぜなら、食べているから(笑)。
さっきまで満足したと思っていたのに、摘んでいると2個に1個は口に入れてしまいます。それほど飽きのこない味なんです。
ようやくため終わると、何やら東屋のようなものを発見。看板を見ると“展望台”の文字が書かれています。
坂道を誘われるように歩いていくと、そこには美しい景色が広がっていました。庄内平野の先にどっしり構える“鳥海山”が美しいこと。思わず「ヤッホー」と叫んでしまいました。
ここは日本一美しい景色を眺められるブルーベリー園なのかもしれません。
制限時間の60分が近づいたので受付に戻って、締めのブルーベリーアイスをいただきました。このアイスはさっぱりとした爽やかな味です。大量のブルーベリーを食べた後でも、ペロリと食べることができました。
美味しさの秘密は“ふかふか”にあり
鈴木農園のブルーベリーは、一流のパティシエが認める味だそうです。
確かに、ここのブルーベリーは甘くて濃厚。なぜなのでしょうか。
理由はいくつかありますが、一番はふかふかな土にあります。
通常ブルーベリーは浅い根しか張れず乾燥に弱いのですが、ここの農園では根が土壌の奥深くにしっかり根が張ります。
そうすると根が自ら水分を得ることができ、甘さに必要な水分を制限することができるのです。
鈴木農園では夏場に水やりを一切しません。こうして糖度12~14度の甘くて濃厚なブルーベリーができあがるのです。
体験してみて感じたのは、質の高さ。鈴木農園のブルーベリーはどれを食べてもおいしいものばかり。これで1000円はコスパが良すぎると感じました。
体験に行ったばかりですが、味を思い出し、「また行きたい」と舌が欲しているのがわかります。
フレッシュなブルーベリー狩りは夏季限定。夏が終わる前に出かけてみるのはいかがでしょうか。
<データ>
月山高原鈴木農園
【住所】山形県鶴岡市羽黒町上野新田字上台80 map
【電話】0235-62-4042
【交通】JR羽越本線鶴岡駅より車で25分、庄内空港より車で35分
公共交通機関利用の場合はタクシー。庄交ハイヤーが期間限定で収穫体験とハイヤー送迎のセットプラン「まっすぐ農園ハイヤー」を運行しているので、これを利用すると便利。乗車および降車場所は鶴岡駅・庄内空港・湯野浜温泉・湯田川温泉など。往復の送迎と体験料込で1人3800円(最少催行人数2名)。前日10時までに要予約(0235-22-0055)。
https://www.shoko-hire.jp/farm_hire/
【収穫体験予約】不要 ※朝採り体験(6時30分から)のみ前日まで要予約
【営業時間】9時~17時
【開催期間】7月上旬~8月中旬(天候により変わることもあるので要確認)
【料金】大人1000円、子ども(3歳~小学生)500円
【体験時間】1時間(2時間コースもあり)
【駐車場】あり/無料
http://www.suzukihaguro.com/index.html