山形・月山麓の野に広がる巨大映画オープンセットで
映画の世界にどっぷり浸る

鶴岡駅から約20キロ離れた月山麓に、なんと東京ドーム約19個分(88ヘクタール)の巨大な映画のオープンセットがあるんです!
日本映画ファンなら、ぜひとも訪れてみたいのところですよね。
それが「スタジオセディック庄内オープンセット」(旧:庄内映画村)。

三池崇史監督の『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』から始まり、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督の『おくりびと』、近年では佐藤健主演の『サムライマラソン』、アジア・フィルム・アワード最優秀編集賞を受賞した塚本晋也監督の『斬、』など、数々の映画やドラマがこの場所で撮影されてきたのです。
ほかにも、日本のアクションシーンを変えた『るろうに剣心 京都大火編』なども。
撮影された作品群の名を見ればテンションが上がります。

タイムスリップしたかのような園内


このオープンセット、とにかく広い!
山間集落、宿場町、戦国大手門、農村、漁村など7つのエリアがありますが、効率よく移動するには各エリアを行き来する周遊バスを利用するといいでしょう。受付にはモデルコースの紹介と地図が準備されています。ドラマの「勇者ヨシヒコ」シリーズに至ってはガイドマップも用意されている充実ぶりです。

正門ゲートに『サムライマラソン』の「物見櫓」のセットがいきなり建っていて驚きますが、エリア内全体がタイムスリップしたかのような趣。
映画で観た風景が広がります。舗装道路はないので、歩きやすい靴で行くのがお勧め。
運が良ければ、実際に映画の撮影現場に遭遇することもあり、撮影現場の熱気を感じることができるでしょう。

ディープな『るろうに剣心』、「勇者ヨシヒコ」スポット


まずは人気スポット『るろうに剣心』ロケ地へ。
剣心役の佐藤健さんと宗次郎役の神木隆之介さんが斬り合った「新月村」の中庭は漁村エリアの「商家屋敷」にあります。
豪華なお座敷や趣ある縁側など映画美術がそのまま残されているのが嬉しい! この縁側に座り剣心と同じポーズで撮影するのがファンの定番です。ちなみにこの屋敷は『殿、利息でござる!』『必死剣鳥刺し』の撮影にも使われました。

「勇者ヨシヒコ」は広範囲にわたってエリア内で撮影されているので、ヨシヒコたちの足跡を追ってのオープンセット巡りです。
途中、撮影に使われた小道具などがそのまま残されていたりするので、なかなか気が抜けません。セット内のどこかの家屋に、出演者のメッセージも残されています。
まるでドラマの世界の中に入り込んだよう。そんなひと時を過ごせるのもオープンセットの魅力です。

映画のセットがそのまま移築!


ここに移築されたセットもいくつかあります。
エントランスエリアにある『おくりびと』に登場する山形県最後の銭湯「鶴乃湯」はもともと鶴岡市内の別の場所にあり、撮影はそこで行われました。
その後、建物の老朽化により廃業し取り壊される予定でしたが、訪れるファンが後を絶たないため移築されることに。
屋内は番台、脱衣所、湯場だけでなく椅子や机、将棋盤、料金表など小道具までリアルに再現。脱衣所にはサイン色紙やポスターなど映画関連の品が展示されています。

そして、農村エリア最大の見どころが「おしんの生家」。

「おしんの生家」は1983年放送の国民的ドラマ「おしん」の撮影に使用したものを移築。2013年公開の映画『おしん』の撮影はこちらで行われました。
茅葺屋根の家屋には囲炉裏や籠などがそのまま残され、屋外には干されたままの着物、周りには田園風景が広がり、まさに『おしん』の世界そのものです。
ほかにも『座頭市 THE LAST』『超高速! 参勤交代』シリーズもこのエリアで撮影されました。

戦国大手門エリアには映画『のぼうの城』『BALLAD 名もなき恋のうた』、大河ドラマ「江」「風林火山」などの撮影で使われたセットが北杜市の旧風林火山館から移築。大手門の左右にある見張り台には大砲が設置され、人気の撮影スポットとなっています。

旅の思い出にコスプレ撮影で盛り上がる

ほかにも、江戸風情溢れる飯屋や旅籠屋などが建ち並ぶ宿場町エリア、素朴な茅葺屋根の家屋や水車小屋などが建ち並ぶ山間集落エリア、洋風のレトロな建物と緑豊かな景観が美しい風のエリアと、見どころは点在しています。アクティビティとしてお勧めしたいのは漁村エリアにある矢場、段ボール迷路などのアトラクションです。

また、貸衣装を着て記念撮影できるブースも人気。園内はコスプレでの入場が可能で、無料の更衣室や有料で貸切更衣室を借りることもできます。
全身コスプレは予約が必要ですが、血のり(!)OKと、思い思いのパフォーマンスが披露できるとあり、これまで「戦国BASARA」「薄桜鬼」「銀魂」「進撃の巨人」「忍たま乱太郎」などのコスプレイヤーが訪れたとか。卒業記念や社員旅行など、仲間との思い出づくりには格好のロケ地となるでしょう。まさに映画ファンが遊べるスポットです。

<データ>
【住所】鶴岡市羽黒町川代字東増川山102 map
【電話】0235-62-4299
【FAX】0235-62-4399
【交通】施設までのシャトルバスや路線バスは運行されていません。交通手段としては、車(山形道 庄内あさひI.C.より約18km)または、JR羽越本線鶴岡駅より庄内交通バス羽黒山頂方面行で30分(630円)、石の館サンロード前下車タクシー約20分(4000円程度)。
【開園期間】4月下旬~9月 9時~17時(入場16時まで)
10月~11月中旬 9時~16時(入場15時まで)
開園期間中は無休(ただし悪天候時、撮影時は一部見学不可または休業の場合あり)
冬季休業(11月中旬~4月下旬) ※積雪状況により変更の場合あり
【入場料金】大人(中学生以上)1300円、子供(小学生)900円、幼児(未就学児)無料
その他料金:周遊バス乗車券500円(終日乗り放題) ※幼児は無料
※7カ所のバス停を約20分間隔で運行。各バス停で自由に乗降できます

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