冬に移住をし、何度か羽黒山の出羽三山神社に出かけたことはありますが、雪が溶けてからは初めての訪問です。
出羽三山の杉並木は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの三つ星(わざわざ訪れる価値があるとされている観光地)に認定されているとのことで、冬の神秘的な一面雪の白の景色とは違う、夏の彩ある出羽三山と石段2446段に挑戦してきました。
出発は随神門から。赤い山門をくぐるとご神域に入ります。まずは下りの石段が続きます。
この日は、明け方まで雨が降っていたので、石段が濡れている所もありました。滑らないように気をつけながら下りていきます。風が木陰をぬけるので、日陰に入ると涼しく感じられます。人通りも多く、やはり夏は賑やかです。
随神門から徒歩10分。石段を下り、少し歩くと川にたどり着きます。
この川は、祓川といい、この川には落差約20メートルほどの「須賀の滝」が流れ落ちています。滝の直下には2つの神社の社があります。かつては、ここの滝で身を清めて入山したとも言われています。
冬は真っ白だったこの景色も、夏は、空の青、橋の赤や木々の緑のコントラストがとても綺麗です。
随神門から山頂までの石段は2,446段、距離にして約2キロで、石段の両側には樹齢350〜500年国の特別天然記念物の杉の木々が続きます。冬は土の中で根を張り、どっしり座っていたような印象であった杉の木も、夏は上に上にとまっすぐに伸び、まだまだ太く強く成長しているかのような佇まいです。
随神門から約10分の場所にある五重塔。
東北地方では最古の塔と言われ、現在の塔は約600年前に再建されたもので国宝に指定されています。
五重塔の手前には樹齢1000年以上と言われる巨大な杉「爺杉」があります。真冬は、膝まで雪が積もっていて、足が雪にはまってしまい長靴が抜けるほど。冬はこの五重塔の先は雪で登ることができません。ここまでで全体の4分の1くらいでしょうか。
長い石段を見上げると結構角度があり、先が長いように思えますが、すっと通った一本道。よし、登るぞ!という気持ちになるとともに、なんだか気が引き締まってシャンと背筋が伸びるような、新鮮な不思議な気持ちになります。登っている途中で振り返ってみるのもおすすめです。
少し息を切らしながら振り返ると、一歩一歩登ってきたんだと実感するとともに、出羽三山の現在・過去・未来を歩いているかのような、そんな神聖な気持ちになります。
杉並木の深い緑を醸し出しているものの一つが「苔」です。石段沿いには苔で覆われた石が多く、雨上がりのあとで、十分に水分を含んでいて綺麗でした。見とれてコケてしまわないように注意です。
石段には33個の絵が刻まれているそう。この写真の石段には「扇」が刻まれています。徳利などもあるそうですが、私は1つしか見つけることができませんでした。いにしえの人々はどんな想いでこの絵を刻んだのでしょうか。まるで生まれかわって過去の時代にタイムスリップしたような気持ちになります。
羽黒山の石段には、一の坂、二の坂、三の坂と名付けられた急な上り坂があります。そんな二の坂を登りきると見えてくるのが「二の坂茶屋」。
暑い夏、持ってきた水もぬるくなる頃にたどり着く、二の坂茶屋では、冷たいジュースやかき氷が待っています。羽黒山名物の「力餅」やお団子もありますよ。
今回はジュースを買って、テラスに座りながら羽黒の街並みを楽しみました。テラスから見える庄内平野が美しいですね。
杉並木の先に赤い大きな鳥居が見えてきて、無事に山頂に到着。
神社で参拝をし、いつも安全に過ごせていることを感謝し、おみくじを引きに。出羽三山のおみくじはいつも当たっている気がするので、私は必ず引きます。今回は小吉でしたが、やはりやはりズバッとアドバイス含め、気持ちを引き締めなおして頑張っていこうと思える内容でした。
自然に囲まれている庄内は、四季折々で様々な楽しみ方ができますが、石段を登り、汗をかき、神社でお参りをし、なんだか心も体もすっきりとした、そんな気持ちになりました。歩きながら考え事をしたりして、普段忙しくてなかなか向き合えない自分にも向き合えた、そんな時間になりました。
【アクセス】
夏の出羽三山神社へは、庄内空港から車では約30km、時間にして約40分、公共交通期間を利用すると、鶴岡市から庄内交通バスで「羽黒山頂行き」の終点下車で約50分の場所に位置しています。
【参考HP】
つるおか観光ナビ 一般社団法人DEGAM 鶴岡ツーリズムビューロー
出羽三山神社 石段詣 URL:https://www.tsuruokakanko.com
今回の旅のルート
随神門から出羽三山神社までのルート
ライター紹介
ライター:キリエ サヤカ
夏になり、海や山に行くことが増えました。お天気が良い日が多く、とってもうれしい気持ちです。おでかけの時は、日焼け止め・虫除けスプレー・虫刺され後に速やかに塗ることができる痒み止めをいつも持ち歩くようにしています。そしてビーチサンダルと着替えも。これらは庄内の夏のおでかけには必須だと思っている、いつも荷物多めのきりえがお送りします。
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