かつて北前船で栄えた商人の町、山形県酒田市。今もかつての栄華をしのばせる美しい建物や、上方から運ばれてきた伝統が大切に残されています。そして、酒田といえばラーメンに海産物に…と、見逃せないグルメもたくさん!車の旅では見えてこない、ローカルな庄内旅を楽しんでみませんか。
酒田のラーメンといえば!『朝ラー』をたのしむ
酒田グルメの代表格である「月系」ラーメンで旅をスタート!
月系というのは、酒田のラーメンの歴史を作ってきた2つの大きな系譜に「月」がつく店名が多いことから名付けられたもの。醤油ベースの透き通ったスープに細縮れ麺と懐かしさを感じる中華そばに、ワンタンが入っているのが特徴です。
酒田では「朝ラー(朝ラーメン)」の文化があります。朝早く漁に出る漁師のほか、会社員も朝ラーを食べて出社するそう。
酒田市役所近くの『照月』は朝7時開店のラーメン店。休みの日には開店前から行列ができる人気店です。プルプルの多加水麺に、トビウオや煮干し、昆布、椎茸などを使った、あっさりながらコクの深いスープが絶品!極薄の皮に包まれた、しっかりと肉感のあるワンタンがするすると喉を通り、あっという間にうつわが空になること間違いなしです。なお、酒田のラーメンは量が多いので注意!照月には小盛りもありますよ。
三角屋根が目印。「おしん」の舞台にもなった山居倉庫で歴史を感じて
お腹がいっぱいになったら、新井田川を渡って『山居倉庫』へ。三角屋根が連なる風情ある木造の倉庫群は、1893(明治26)年に米穀倉庫として建てられました。
連続テレビ小説「おしん」や映画「おくりびと」の撮影舞台になったことでも有名で、四季折々美しい表情を見せてくれる酒田のシンボル的存在です。
倉庫の内部には「おしん」の名場面を人形で表現した人形ギャラリーや、迫力満点の亀傘鉾の展示があり、楽しみながら酒田の歴史や文化を学ぶことができます。
当時は女性労働者が米の出し入れを請け負っていたといいます。併設された庄内米歴史資料館で実際に米俵を担ぐことができますよ。
また、観光物産館『夢の倶楽(くら)』や、酒どころ庄内のお酒を扱う『木川屋』でお買い物を楽しむことができます。酒田を代表するおせんべい、「オランダせんべい」の種類がこんなにたくさん!また、庄内地域で作られる工芸品も購入することができます。酒田市内にある「阿部弥太郎商店」の畳の縁(へり)を使ったポーチやバッグがおすすめ!
色々な柄の縁を使った小物はカラフルで、しかも丈夫。軽いのでお土産にもぴったりです。
写真は、庄内空港にいるaiboの「まめた」です。まめたは空港のイベントなどで会うことができますよ!
さかた海鮮市場 小松鮪鮮魚店で味わう 絶品!山鉾丼
山鉾丼
中トロ丼
港に隣接するさかたみなと市場にある『小松鮪専門店』。新鮮な海産物が豊富な酒田の中でもとりわけ美味しいまぐろが食べられるとあって、テレビでも度々取り上げられている有名店です。
こちらでは名物「山鉾丼」にチャレンジ!ドライアイスの煙をまとい、高くそびえる丼の登場にはテンションが上がること間違いなし。酒田まつりの山鉾を模した丼にはマグロやいかなど数種類の海鮮がたっぷりで、2~3人でシェアできるほどのボリューム。地元の人の姿も多い人気店とあって、味もお墨付き。店主の親子のフレンドリーさも魅力です。
1人旅には赤身丼や中トロ丼もおすすめです。お魚の購入もできますよ。
山王くらぶで華やかな「傘福」をたのしむ
かつて料亭として使われていた建物で、現在は国の重要文化財である「山王くらぶ」では、「傘福(かさふく)」を鑑賞できます。傘福は酒田に伝わるつるし飾りで、日本三大つるし飾りの一つです。「傘福の間」の障子を開けた途端、部屋一面に広がる鮮やかな傘福は思わず息を呑む美しさ。色とりどりのかわいらしい細工は、子孫繁栄を願う「ねずみ」や、薬袋を模して健康を願う「三角」などひとつひとつに意味があります。ゆらゆらとゆれる傘福は見ているだけで幸せな気持ちに!
時間に余裕があれば「傘福体験工房」でチャレンジするのもおすすめ。1時間半程度で傘福の飾りの制作体験ができます。一針一針に願いをこめながら、世界に一つだけの傘福を作ってみてはいかがでしょうか。
酒田のために貢献した大地主 本間家を訪ねて
「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」ともうたわれるほど、かつて日本一の大地主であった本間家。
ただお金持ちであっただけでなく、大火の救済や防風林の植林をはじめ、民のために私財を使い、ひとびとのくらしを支えたために今なお大切に語り継がれています。
「本間美術館」には古美術品から現代美術品まで、およそ3000点の美術品が収蔵されており見応え充分。
「清遠閣」は、庄内藩主酒井家の休息所として作られた建物。大正ロマン漂う喫茶室では、美しい庭園「鶴舞園」を眺めながら飲み物で一息つくことができます。
四季折々で美しい姿が見られる鶴舞園も、もとは冬の間の雇用対策だったそう。本間家の懐の深さは、今も酒田の人々の気立ての良さとして引き継がれているように思えます。
酒田街歩きはいかがでしたか。
このほかにも、四季折々の景色が美しい日和山公園、映画「おくりびと」のロケ地であり、現在は日和亭、日和ベーカリーとして憩いの場となっている小幡楼など、まだまだ見所がたくさん。
また、今回ご紹介した「照月」のほかにもラーメン屋が至る所にあり、酒田の人はそれぞれにイチオシの店があるそう。お気に入りを求めて、ラーメン屋めぐりをするのも楽しいですよ!
魅力がたくさんの酒田さ、来ての~!
<データ>
場所名:照月
住所:〒998-0043 山形県酒田市本町3丁目2−10 Map
電話番号:0234-24-8805
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から徒歩20分
営業・開園時間:7:00-15:00
定休日:なし
入場料:なし
駐車場:あり
URL:https://kachou.jp/shogetsu
<データ>
場所名:山居倉庫 夢の倶楽
住所:〒998-0838 山形県酒田市山居町1丁目1−20 Map
電話番号:0234-22-1223
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から徒歩20分、るんるんバス 山居倉庫前から徒歩2分
営業・開館時間: 09:00-17:00(12月から2月は09:00-16:30)
定休日:1月1日
入場料:なし
駐車場:あり
URL:https://sakata-kankou.com/spot/30127
<データ>
場所名:山王くらぶ
住所:〒998-0037 山形県酒田市日吉町2丁目2−25 Map
電話番号:0234-22-0146
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から徒歩分、庄交バス寿町から徒歩3分
営業・開園時間: 09:00-17:00(最終受付16:30)
定休日: なし
入場料:
【湊町酒田の傘福期間中(3月~10月)】 大人800円 高校生200円 中、小学生120円
【11月~2月】 大人410円 高校生200円 中、小学生120円
駐車場:あり
URL:https://sannoukurabu.info
<データ>
場所名:小松鮪専門店
住所:〒998-0036 山形県酒田市船場町2丁目5−56 Map
電話番号:0234-26-0190
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から徒歩27分、庄交バス山銀前から徒歩5分
営業・開園時間: 9:00-16:00
定休日:水曜日
入場料:なし
駐車場:あり
URL:https://komatumaguro.com
<データ>
場所名:山王くらぶ
住所:〒998-0037 山形県酒田市日吉町2丁目2−25 Map
電話番号:0234-22-0146
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から徒歩分、庄交バス寿町から徒歩3分
営業・開園時間: 9:00-17:00(最終受付16:30)
定休日: なし
入場料:
・湊町酒田の傘福期間中(3月~10月) 大人800円 高校生200円 中、小学生120円
・11月~2月 大人410円 高校生200円 中、小学生120円
駐車場:あり
URL:https://sannoukurabu.info
<データ>場所名:本間美術館
住所:〒998-0024 山形県酒田市御成町7−7 Map
電話番号:0234-24-4311
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から徒歩5分、庄交バスターミナルから徒歩1分
営業・開館時間:
【4月~10月】
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
【11月~3月】
午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:【12月~2月】 火・水曜日(祝日の場合はその翌日)
入場料:一般1,000円 高・大学生450円 小/中学生は無料
駐車場:あり
URL:https://komatumaguro.com
※商品・サービスの内容は記事執筆時点のものです。店舗によっては商品・サービスの内容が変更される場合があります。