木川屋高橋さん

庄内の酒は酒屋に聞け! 山形地酒専門店 木川屋 高橋さん

ANA SHONAI BLUE Ambassador(庄内に移住しANAに乗務しながら庄内地区で活動する客室乗務員)がお届けする庄内レポート

酒田市新橋に本店を構える山形地酒専門店木川屋。空港やお土産屋さんにはない多くの山形地酒が16面の冷蔵庫にぎっしりと詰まっています。お店に日本酒を買いに行けば、細やかな風味の説明はもちろん、酒蔵の裏話など貴重な話まで、まるで歩く日本酒図鑑の高橋さんにお会いすることができます。

庄内には18蔵の酒蔵があり、どれも魅力的な日本酒ばかりで迷ってしまいますよね。そんな時、ぜひ相談して欲しいのが木川屋の高橋社長です。猫好きにはたまらない木川屋営業部⻑の猫ニコちゃんもご紹介します。

庄内各地の日本酒が勢揃い!酒田に来たら日本酒専門店木川屋に行ってみよう!

銘酒館木川屋

・成り立ち(庄内の日本酒の特徴)
酒田市新橋にある木川屋商店は1974年、現在の高橋社長のお父様が創業した山形の地酒に特化した専門店です。取扱の清酒のほぼ100%が山形県内の酒蔵で作られた地酒となっています。山形県の日本酒は比較的規模が大きい蔵元が多い新潟県・秋田県に挟まれ、もともとは小規模で地元向けの生産を行っていました。
規模が小さいことを生かし、昭和後期に芳醇で口当たりがまろやかな少量高品質の吟醸造りにシフトした吟醸県であることが特徴です。

新橋本店の他に2004年に山居倉庫店、2010年に酒田みなと市場店など計3店舗展開。観光客はもちろん、飛島に向かう人や住民の方の貴重な酒屋としてもニーズを満たしています。
また、WEBサイトも大変充実しており、庄内の味を全国各地からの注文も可能です。

木川屋本店の店内
「他の酒販店と比べてもとてもお酒に過保護だと思う」
木川屋は日本酒の鮮度維持を最も重視しています。日本酒は非常にデリケートなお酒なので、温度管理と光に当てないことが大切です。メーカーさんが作った品質をそのままの鮮度や味でお客様へ届ける使命があるということで、冷蔵庫などの設備も、専門店としてのプライドでより力が入っているといいます。店内の冷蔵庫は2年前に大幅に増設して16面に。純米吟醸以上は、火入れがされていたとしてもしっかり冷蔵されています。バックヤードの倉庫にも貯蔵用の大型冷蔵室を3基導入しており、一升瓶で約3,000本の貯蔵・熟成が行われています。「人より酒を冷やすことを優先しています」と笑いながら高橋さんは説明してくれました。

「俺はアメリカ大陸を見つけた!」と先代の社長が日本酒専売のきっかけ
開業当初は周りの酒販店との差別化を図るために、創業間もない小さい酒販店には不釣り合いなボルドーの5大シャトーのワインを置いたこともあったといいます。さらに、当時はまだメーカーも酒屋もあまり知らない一般の馴染みがなかった吟醸酒にいち早く目を付け、上喜元を筆頭に東北泉など県内の酒蔵に声を掛け、吟醸酒の市販化を促しました。そして各蔵の吟醸酒をいち早く市販を始めたのが現在まで引き継がれる日本酒販売に特化したきっかけでもあります。それまでは等級別に数種類置いてあれば良いとされていた庄内の酒販店の常識を覆したのです。

「美味しい良いお酒入りましたよ」と新たなきっかけを作る丁寧な説明
吟醸酒は当初はなかなか世間には馴染みがないお酒でもあり、販売するとなると当時の階級の二級酒としてしか販売できず、販売当初は難しいこともあったようです。もともとご両親は電気屋だった為、商品を販売する際には、一つ一つ機能などを説明する販売が当たり前で得意でした。お酒も同様で、お客様がそのお酒がどのようなお酒なのかしっかりと理解できるように一本一本丁寧に説明していたそうです。開業当初からお酒の詳細をしっかり伝え、お客様に寄り添いながら丁寧に接客するスタイルが現在までしっかりと受け継がれています。

まるで歩く日本酒図鑑、高橋社長はどんな人?

笑顔で説明をしてくれる高橋さん
「当初はエンジニアになりたかったんですよ」と話す高橋社長。
家業のお酒の流通とは全く関係のない理系だった高橋さんは、これからはネットワークの時代だと思い通信機メーカーに就職しました。しかし実家が酒屋だということが徐々に社内に広まり、メールなどで受注していくことに。「当時は日本酒っておじさんが飲む酒、酔うし、頭痛くなるし」と抱いていたイメージが良くなくあまり飲んだことがなかったそうです。しかし、お酒好きの取引先の方から、折角良い日本酒を取り揃えている実家なのだから日本酒をしっかり飲んでみなよと言われ、改めてゆっくり味わって見ると日本酒の美味しさに気が付き、そしてそのまま実家に戻り木川屋の一員になったそうです。前職を生かしWEBサイトを96年に作成。WEBが使えれば情報発信ができるので、地方にいることが武器になると確信したといいます。

取材風景

木川屋のホームページを見ると、驚く程の地酒の情報量と沢山の種類のお酒、さくらんぼやだだちゃまめ等の季節産品をオンライン購入できるなど便利さを感じることができます。こちらは全て高橋さんが立ち上げ当初から試行錯誤して作り上げている力作です。「お酒の図鑑が欲しいなと思って」と語り、日々情報を更新しているそうです。

笑顔で接客をする高橋さん
当初日本酒の知識は少なかったので、山形県天童市の出羽桜の酒蔵に修行に行き、一から勉強したとのこと。造り手の立場で基礎から学び、使う物品の名前や行程を覚えて行った経験が、今様々な蔵で酒造りを見ると、それぞれの良さや違いがわかるといいます。「酒販店として買い手のことを知っているからその情報を教えてあげたり、逆にお酒のことを聞いたりと情報交換している」と話す高橋さん。実際に蔵と密にコミュニケーションを取り日々蓄えられている知識から、お客様の求める1本を導いています。

何を飲んだら良いかわからない?そんな時はこちらを!高橋さんセレクト日本酒4選

高橋社長セレクト日本酒4選
「美味しい日本酒はどれですか?」と聞かれることが一番難しい質問だと話す高橋さん。
その理由について伺うと、「一人一人味覚も違うし、価値観が違うから」という答えが返ってきました。
よく車を買う時に例えるといいます。沢山人が乗れる車が良いか、デザインが格好良い車が良いのか、荷物が沢山乗る車が良いのか、燃費が良い車が良いのか、欲しい車にはなぜそれが欲しいのか理由があるのと同じで、日本酒にも甘辛の好みの違い、ラベルの好み、どんなシーンで飲むお酒なのか、そのような選ぶ要素が沢山あるので、美味しいという観点は人により何通りもあるとのこと。

日本酒がまだよくわからないという方には、最初の一杯のような入門編のお酒もご紹介することもあるという高橋さん、「そこから自分の好きな酒を探せれば良いですよね」と。

非常に沢山の山形地酒を取り揃える木川屋の中でも是非おすすめしたい日本酒を4本選んで頂きました。

①上喜元 大吟醸 山田錦35 初春の夢 2022年(酒田酒造)木川屋特注品 720ml 3,300円
上喜元 大吟醸 山田錦35 初春の夢 2022年(酒田酒造)木川屋特注品
「やっぱり選ぶなら初春の夢かな、リピートも大変多いです」
2022年の初春の夢は山田錦を35%まで削った贅沢な一本。コンテスト出品酒と同じ味だけど、値段は半値だと高橋さんも自慢してしまう程出来が良いようです。サラサラと量を飲むタイプではなく華やかな香りを味わうことのできるとてもわかりやすい一本。 

②栄光冨士 大吟醸 古酒屋のひとりよがり (富士酒造)常時 720ml 4,074円
栄光冨士 大吟醸 古酒屋のひとりよがり (富士酒造)
「庄内の市販の大吟醸では一番古いお酒なのでは?」
山田錦から作られている伝統的でとっても上品なお酒。栄光富士はもともと南部の岩手から来ていた杜氏の酒蔵だから、やや甘みが感じられるのも特徴です。その名の通り、当時の社長が本当に上手い酒を作ろうとひとりよがりに作ったお酒だけあってグイグイといってしまいそう!

③亀の尾 純米大吟醸 地酒 山居倉庫 (鯉川酒造)常時 720ml 3,300円
亀の尾 純米大吟醸  地酒 山居倉庫  (鯉川酒造)
「品切れ続出?注文殺到!ワイン評論家のロバート・パーカーが高評価した日本酒」
もともと人気が高かったのにさらに急激に注文が増えたお酒です。
理由は普段はワインの評価しか行わない著名なワイン評論家のロバート・パーカー氏が、過去に一度だけ日本酒を評価した際に93点で5位タイを獲得したため。
一つの醪(もろみ)から極僅かな量しか採取できない貴重な雫取りのお酒です。
ラベルにも木川屋との関わりがあり、先代高橋社長の同級生でご友人の元酒田副市長が書いて下さったもの。亀の尾は漫画「夏子の酒」でモデルになった幻の米なのです。米の風味もしっかりと感じられ、甘味、旨味、そしてほどよい酸味があり味わいが深い酒に仕上がっています。

④みちのく山形のどぶろく 黒どぶ (酒田醗酵)常時 720ml 1,850円
みちのく山形のどぶろく 黒どぶ (酒田醗酵)
「木川屋はお前に託した!俺はどぶろくを作る」
どぶろく「黒どぶ」は木川屋の先代高橋社長のお父様が代表を勤める酒田発酵が作っているもの。全国でも初めての試みとなる、地酒専門店関係者が別会社を立ち上げて濁酒(どぶろく)酒造免許を取得し、商品化した木川屋の主力商品です。
原料の酒米も水も地元産に拘った正真正銘のどぶろくです。「酸っぱくてのみづらい」という従来のどぶろくのイメージとは全く異なる、口当たりよし、香りよし、飲みやすいどぶろくは是非とも飲んで頂きたい一本です。

木川屋本店のどぶろく

出会えたらラッキー!木川屋の敏腕営業部長猫「ニコ」ちゃん

木川屋本店の敏腕営業部長猫ニコちゃん
木川屋にはなんとも可愛い営業部長がいます!マンチカンのニコラス(通称ニコちゃん)、6才です。木川屋の皆さんは大の猫好きで代々ずっと猫がいらっしゃるとか…なんとニコちゃんは5代目営業部長だそうです。そんなニコ営業部長は気まぐれな性格ということで、お会いできるのは貴方の運次第!中には木川屋に通ううちに仲良くなり、サッと抱かれるほど仲良しなお客様もいるとのこと。

そんなニコ営業部長の店頭出勤時間は時と場合によるのですが、朝皆さんと一緒に出勤し店内を自由気ままにお散歩する時もあれば、地元の小学生の通学時間帯に合わせて現れ、小学生を見守ることも日課のようです。木川屋の皆様によると小学生の下校時刻に当たる15時頃は店頭への出勤率も日々高めとのことですので、ニコ営業部長にお会いしたい方はその時間を狙うと良いかもしれませんね!
ニコ営業部長
「沢山買ってくれたら沢山撫でさせてあげるにゃ…」と営業部長としての役割もしっかり果たしております。
冬場は寒いので、ストーブの上が大好きなニコ営業部長なのでした。

以上、魅力たっぷりの木川屋の紹介でした。
庄内で美味しい日本酒に出会いたいそこの貴方、まずは迷わず木川屋へ行って高橋さんにご相談してみてくださいね。きっと特別な1本に出会えるはず。

<データ>
場所名:木川屋 新橋本店
住所:山形県酒田市新橋4丁目5−15 Map
電話番号:0234-23-6300
交通:庄内空港から車で23分、JR酒田駅から徒歩20分
営業・開園時間:9:00〜19:00
定休日:毎週日曜日
駐車場:あり
URL:https://www.kigawaya.com/

<データ>
場所名:木川屋 山居倉庫店
住所:山形県酒田市山居1-3-1 みどりの里 山居館内 Map
電話番号:0234-24-5666
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から車5分
営業・開園時間:9:00~17:30 (11月~2月 17:00まで)
定休日:なし
駐車場:あり
URL:https://www.kigawaya.com/

<データ>
場所名:木川屋 みなと市場店
住所:山形県酒田市船場町2-5-56 みなと市場内 Map
電話番号:0234-24-8402
交通:庄内空港から車で20分、JR酒田駅から車で6分
営業・開演時間:10:00~17:00
定休日:毎週水曜日
駐車場:あり
URL:https://www.kigawaya.com/

※商品・サービスの内容は記事執筆時点のものです。店舗によっては商品・サービスの内容が変更される場合があります。
※掲載している商品については時期により在庫は異なります。木川屋本店にお問い合わせください。

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