『暮らすように旅をする。』という言葉があるように、初めて訪れる新鮮さもありながら、帰ってきたという感覚を覚える場所。この場所にいることが自然だ、そんな風に思える時間を過ごすことができる「幸子のお茶漬け」。
柔らかい庄内弁を話す、明るく優しい女将の元で、地元の食材を生かした料理をいただくもよし、女将とおしゃべりするも、のんびりするもよし。思い思いの時間を過ごすことができるので、一軒目はもちろんのこと、二軒目としても最高の場所になります。
『お茶漬け幸子』いざ入店!
2022年09月で開店42年目を迎える「幸子のお茶漬け」は、鶴岡の市街地昭和通りにある料理屋さんです。
毎日自身で着付け、着物姿でお店に立つ女将の幸子さんが元気な笑顔でお出迎えしてくれます。
お店も、大きすぎず小さすぎず、自宅のようなほっこりとしたくつろぎを感じることのできる雰囲気。
毎日のメニューは手書きで、地元の食材や季節の食材を使った料理が並びます。
メニュー紹介の初めには、その日の女将の気持ちを伝えるメッセージを添える心遣いが、あったかくてうれしい気持ちになります。
幸子さんが作る心も身体もあたたまる料理たち
「お酒を飲まなくても大歓迎。お茶漬けだけでも大歓迎。」と女将の幸子さんの心こもった料理のメニューは日替わりですが、この日いただいた料理を紹介します。
・お漬物 〜呑みのお供に庄内在来野菜のお漬物〜
・子宝菜の天ぷら 〜幸子オリジナル天ぷら〜
・銀杏焼き 〜旬の味覚・塩味でお酒も進む〜
・いか一夜干し 〜食べ応え抜群 幸子の日本海の幸〜
・お茶漬け 〜やさしさ溢れる締めの一杯〜
仕入れは、産地直送の店から行っているため、いつも庄内「旬の味」を楽しめます。店名にもなっている「幸子さんのお茶漬け」は、この日は、鮭・梅干し・たらこから選びます。わさびは本生わさびを使用しており、辛すぎない上にわさびの香りを存分に楽しむことができます。幸子さんの言う通り、これだけでも食べに行きたい!ちなみに、お茶漬けのお店ではあるがおにぎりも絶品です。
カウンターの中の幸子さん
お客様との憩いの場所兼厨房であるカウンターで、幸子さんは笑顔で、注文に答えながら、マッチを擦ってコンロに火をつけ、手際よく多数の注文をこなしていきます。最近はあまり見ないこの「マッチを擦る」という雰囲気もまた、お客様からの評判がいいとのこと。
また、庄内の在来野菜を使ったお漬物は女将お手製の逸品。レシピを聞いても、「適当よ。感覚でやっているの。何グラム?と聞かれても毎回測れないから、こうやってねぇ~」と豪快に笑いながら塩を振る素ぶりを見せてくれます。仕込みは、「ラジオを聴きながらやっている時がホッとする。楽しい。」と幸子さんは言います。
農家の人々が数百年にわたり「種」を守り受け継いできた在来野菜を使用したメニューに、ユネスコ食文化に選ばれた鶴岡を感じることができます。
心穏やかに、そして楽しみながら仕込まれた女将の料理はとてもあたたかでホッとする味がして、幸子さんの調理中の様子にも、楽しいが詰まっています。
幸子さんの人柄が醸し出すおいしさとくつろぎの時間
「幸子さんはいつもにこにこしていますね、こちらが元気をもらえます。つらいことやストレスがある時はどうしているのですか?」との質問に、「あまり深く考えないこと。そうしていればストレスはたまらない。」と幸子さんは笑って答えます。「コロナが流行るようになって、お客様が減ることもある。常連さんとも頻繁には会えなくなった。それでも、さみしいという気持ちよりも、来てくれるお客さんがいることが嬉しい。」と。
一週間、お店を休んだことがあったが。休み明けにお店に入った瞬間に、「ここが私の来る場所だ。」と思ったと話す幸子さん。
足りないことではなく、今、目の前にあることに喜びを感じ楽しく過ごす幸子さんの姿や笑顔が、私たちに元気と家に帰って来たかのような安心感やくつろぎを与えてくれているのではないかと思います。
鶴岡で訪れるべき名店であるとともに、一度訪れれば、また帰りたいと思う場所、それが『お茶漬け幸子』です。
<データ>
場所名:幸子のお茶漬け
住所:〒997-0811 山形県鶴岡市神明町11−34 Map
電話番号:0235-23-7916
交通:庄内空港から車で30分、JR鶴岡駅から車で10分
営業時間: 17:00-23:00
定休日:日曜日
駐車場:あり
予算:夜 ¥3,000-5,000
ライター紹介
キリエ サヤカ
季節によって、旬の食材が変わり、味わいを楽しむことが出来る庄内地域。まさに食の都庄内であることを日々体感しています。今年は2回目の冬がやってきました。寒い冬がやってきますが、おいしいご飯を食べて寒さに負けずにげんきに頑張ります。
※商品・サービスの内容は記事執筆時点のものです。店舗によっては商品・サービスの内容が変更される場合があります。